「私たちのメルマガ、競合と似たり寄ったりになっていないだろうか?」「もっと自社の強みを打ち出して、読者に響くコンテンツを届けたい」
BtoBビジネスにおいて、メルマガは顧客との重要な接点です。しかし、多くの企業がメルマガを配信する中で、自社の存在を際立たせるのは容易ではありません。そこで不可欠となるのが「競合他社メルマガ分析」です。
この記事では、BtoB企業のメルマガ担当者様に向けて、競合分析の具体的なステップから、分析結果を基にした差別化戦略の見つけ方、さらには成功事例までを網羅的に解説します。
この記事の目次
なぜBtoBメルマガで競合分析が重要なのか?
メルマガにおける競合分析は、単に他社の真似をするためではありません。その目的は、市場の全体像を把握し、自社独自の価値を際立たせる戦略的なポジションを見つけ出すことにあります。
- 市場での立ち位置の明確化: 競合がどのようなメッセージを誰に発信しているかを知ることで、自社が狙うべきターゲットや市場の空白地帯が明確になります。
- 成功と失敗からの学習: 競合の施策を分析することで、何が読者に受け入れられ、何が効果的でないのかを効率的に学べます。
- 独自の価値(差別化ポイント)の発見: 競合の強みと弱みを理解し、自社の強みと掛け合わせることで、他社にはないユニークな価値提案を見つけ出すことができます。
メルマガ競合分析の4ステップ
それでは、具体的に競合分析を進めるための4つのステップを見ていきましょう。
Step 1: 競合を特定する
まず、分析対象となる競合を明確にします。競合は大きく3種類に分けられます。
- 直接競合: 自社とほぼ同じ製品・サービスを、同じターゲットに提供している企業。
- 間接競合: 顧客の同じ課題を、異なる製品・サービスで解決しようとしている企業。
- 代替競合: 顧客が自社製品の代わりに利用する可能性がある、全く異なるソリューションを提供している企業。
【競合の見つけ方】
- 主要キーワードで検索: 自社の製品やサービスに関連する主要なキーワードで検索し、常に上位に表示される企業をリストアップします。
- 顧客へのヒアリング: 既存顧客や営業担当者に「私たちのサービスを検討する際に、他にどの企業を比較しましたか?」と尋ねることで、リアルな競合が判明します。
- 業界レポートやまとめ記事: 市場調査データやメディアのまとめ記事から、業界の主要プレイヤーを特定します。
Step 2: 分析項目を決定する
次に、競合のメルマガの何を分析するのか、比較するポイントを決めます。以下の項目を基本に、自社の目的に合わせて調整しましょう。
分析カテゴリ | 具体的な分析項目 |
---|---|
配信概要 | 配信頻度、配信曜日・時間帯、差出人名 |
件名 | 文字数、キーワード、記号の使い方、キャッチーさ |
コンテンツ | テーマ、お役立ち情報・事例・イベント告知の割合、専門性の高さ |
デザイン | HTMLメールかテキストか、レイアウト、画像の有無、ブランドカラー |
CTA | ボタンのデザイン・文言、設置数、リンク先の種類(LP、ブログ記事など) |
技術・戦略 | パーソナライズの有無、モバイル対応、キーワード戦略 |
Step 3: 情報を収集し分析する
実際に競合のメルマガを購読し、Step 2で決めた項目に従って情報を収集・分析します。気づいたことはメモを取り、後で整理できるようスプレッドシートなどにまとめておくと効率的です。
【役立つツール】
- サイト・アクセス分析ツール (Ahrefs, SEMRush): 競合サイトがどのようなキーワードで流入を獲得しているか分析できます。
- プロモーション分析ツール (Ghostery): 競合がどのような広告やトラッキングツールを使用しているか確認できます。
Step 4: 自社と比較し、差別化戦略を立てる
収集・分析したデータを基に、自社と比較して強みと弱みを洗い出します。その上で、自社が勝てる領域(差別化ポイント)を見つけ出します。
- 競合が弱い、かつ自社が強い領域: 最も注力すべき差別化ポイントです。
- 競合が強い、かつ自社も強い領域: 差別化は難しいですが、業界標準として満たすべきレベルです。
- 競合が強い、かつ自社が弱い領域: 真正面から戦うのではなく、別の価値で補完する戦略を考えます。
この分析には、「3C分析」のようなフレームワークを活用するのも有効です。
競合分析から見つける!BtoBメルマガ差別化戦略の成功事例
分析から導き出される差別化戦略は様々です。ここでは代表的な成功事例を3つ紹介します。
事例1:技術的優位性で差別化
ある製造業の企業は、競合が製品紹介中心のメルマガを配信する中、業界の最新技術動向や詳細な技術解説レポートを定期的に配信しました。これにより、専門家としての信頼を獲得し、「技術的な相談ならこの会社」というポジションを確立。結果として、質の高い問い合わせが増加しました。
事例2:顧客への徹底的な寄り添いで差別化
業務効率化ツールを提供するある企業は、機能紹介だけでなく、顧客から寄せられた質問に丁寧に回答するQ&A形式のメルマガを開始しました。顧客のリアルな疑問に先回りして答えることで、「サポートが手厚い」という評判を確立し、顧客満足度と継続率を大幅に向上させました。
事例3:セグメント配信の最適化で差別化
あるマーケティング支援会社は、全顧客に一斉配信していたメルマガを、役職や業種ごとに内容や件名を細かく最適化するセグメント配信に切り替えました。その結果、各読者にとって「自分ごと」として捉えられる情報が届くようになり、メルマガ経由のサイトアクセス数が1.5倍に増加しました。
まとめ
競合他社のメルマガ分析は、自社のメルマガを成功に導くための羅針盤です。他社の動向を理解し、自社の独自の価値を見つけ出すことで、読者の心に響き、最終的にビジネスの成果へとつながるメルマガを創造できます。
重要なのは、分析を一度きりで終わらせないことです。市場や競合は常に変化しています。定期的に競合分析を行い、自社の戦略をアップデートし続けることが、持続的な成功の鍵となります。
まずは、競合のメルマガを1つ購読してみることから始めてみてはいかがでしょうか。