「うちの会社、採用にどれくらいお金を使っているんだろう？」
「求人広告費以外にも、採用コストってかかるものなの？」
多くの中小企業の経営者様や採用担当者様が、採用にかかる費用について、漠然とした不安や疑問を抱えているのではないでしょうか。実は、採用コストは単に求人広告費だけではありません。社員が1人入社するまでには、目に見える費用（外部コスト）と、気づきにくい費用（内部コスト）が存在し、これらを合計したものが真の採用コストとなります。
「たかが採用コスト」と侮ってはいけません。
特に中小企業の場合、大企業と比較して採用コストが割高になる傾向があります。知名度の低さから応募者を集めるために多くの求人広告費が必要になったり、採用専門の担当者がおらず、他の業務と兼任することで採用活動が非効率になったりすることが原因として挙げられます。
驚くべきことに、新卒採用1人あたりの採用単価では、中小企業が大企業を上回るというデータもあるのです。これは、中小企業がいかに採用活動で苦戦を強いられているかを示しています。
あなたの会社は大丈夫？採用コストの内訳
採用コストは、大きく分けて「外部コスト」と「内部コスト」の2種類があります。
- 求人広告の掲載費用
- 人材紹介サービスの利用料
- 会社説明会の会場費
- 採用パンフレットなどの制作費
これらは請求書などで金額が明確になるため、比較的把握しやすい費用です。
- 採用担当者や面接官の人件費（応募者対応、面接時間など）
- 採用活動に関わる社員の研修費用
- 応募者の交通費支給
- 内定者フォローにかかる費用（懇親会など）
これらの内部コストは、日々の業務に紛れてしまいがちで、正確な金額を把握している企業は少ないかもしれません。しかし、採用担当者が応募者とやり取りをする時間、面接官が面接に費やす時間も、すべて人件費というコストが発生しているのです。
忍び寄る「隠れコスト」の恐怖
さらに恐ろしいのは、これらの直接的なコスト以外に潜む「隠れコスト」です。
- 採用の長期化によるコスト増： なかなか適切な人材が見つからず採用活動が長引けば、求人広告の追加掲載費や、その間の人員不足による既存社員の業務負担増など、コストは雪だるま式に膨れ上がります。
- 採用ミスマッチによる損失： せっかく採用した人材が早期に退職してしまった場合、それまでにかかった採用コストが無駄になるだけでなく、再度採用活動を行うための追加コストが発生します。ある試算では、従業員1名が入社後3ヶ月で離職した場合、約187.5万円の損失が発生するとも言われています。これは、採用施策費用、採用プロセスにかかる人件費、研修費用、離職に伴う手続きコストなどが含まれた金額です。
- 生産性の低下や既存社員への悪影響： ミスマッチ採用は、期待した成果が出ないことによる生産性の低下や、既存社員の業務負担増加、モチベーション低下といった問題も引き起こします。
これらの「隠れコスト」は、じわじわと会社の経営を圧迫していきます。中小企業にとって、1人あたりの採用コストは平均で数十万円にも上ると言われており、採用ミスマッチによる損失はその数倍に膨れ上がる可能性もあるのです
。
「知らなかった」では済まされない採用コストの実態
採用コストを正確に把握し、適切に管理することは、企業経営において非常に重要な課題です。特に、人的リソースや予算が限られている中小企業にとっては、採用コストの最適化は喫緊の課題と言えるでしょう。
まずは、自社がどのような費用を採用活動に費やしているのかを洗い出し、「見える化」することから始めてみませんか？そして、その上で「本当にこの費用は必要なのか？」「もっと効率的な方法はないのか？」と見直すことが、採用コスト削減、ひいては企業の成長への第一歩となるはずです。
「うちは大丈夫だろうか…」少しでも不安を感じた方は、今一度、自社の採用活動にかかる「本当のコスト」について考えてみることを強くお勧めします。